『浄瑠璃十二段草子』

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作者未詳。十二段に固定してきて「十二段草子」の呼称が一般に用いられた。本地物で判官物の一種。


あらすじ

三河の国、矢矧の宿に国司の伏見の源中納言兼高が峰の薬師に祈願して、海道一の遊君と名の高い宿の長との間に儲けた、浄瑠璃御前という才色兼備の姫君がいた。時に、金売吉次の下人となって奥州へ下る御曹司義経は、その豪華な邸宅の前を通りかかり、内の様子を窺う所に、折から管弦の音が聞こえてくる。御曹司が外で笛を合わせると、その音色に感じた浄瑠璃御前は御曹司を内へ入れ管弦や酒宴に時を過ごす。いったん宿へ帰った御曹司は、姫の面影が忘れ難く、再び、姫の子所へ忍び入る。言葉を尽くして言い寄る御曹司の求愛をついに姫も受け入れ、二人は一夜の契りを結んだ。その後、御曹司は吉次とともに奥州に旅立つが、駿河の吹上の浦で重病に倒れ、一人浜辺にとり残される。八幡大菩薩のお告げでそれを知った浄瑠璃御前が侍女とともに吹上にたどり着いたとき御曹司はすでに空しくなっていたが、神々に祈る姫の誠が通じて蘇生する。御曹司は姫に素性を明かし、名残を惜しむ姫に再会を約して、奥州平泉へと下っていった。


<参考文献> 『御伽草子集』株式会社新潮社 松本隆信 昭和五十五年一月