「祇園祭礼信仰記」

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総合

ぎおんさいれいしんこうき

●人形浄瑠璃

時代物

中邑契・豊竹応津・黒蔵主・三津飲子・浅田一鳥による合作。宝暦7年(1754年)十二月五日から大坂・豊竹座で初演される。はじめ『祇園祭礼信長記』といったが、後に改めた。話は五段からなる。主なあらすじは以下のとおり。

【初段】

松永大膳らは、主君足利義輝を酒色にふけらせる。小田信長は、それを心配する。

【二段目】

義輝は大膳の画策で殺され、此下東吉は、信長にとりたてられて大名となる。

【三段目】

若君輝若は逃れる。かつて大膳に一味した松下嘉平次(是斎)は、義を重んじて自害するが、下人新作は、名を曾呂利新左衛門と改めて、東吉に仕える。これには十河軍平、実は加藤正清の計らいがあった。

【四段目】

大膳は、足利家を横領し、金閣寺に居を構えている。義輝の母慶寿院は押し込められ、また絵師雪村の娘雪姫とその恋人狩野直信も捕らえられる。雪姫は、縛られたまま爪先で描いたねずみに魂がこもって縄を食いきるので、助けられる。東吉は、大膳に降参するると見せかけ、狩野家の宝刀を奪い返し、慶寿院を救い出す。

【五段目】

大膳は討たれ、足利家も安泰となる。


●歌舞伎

宝暦8年(1755年)一月に京の沢村、染松座で『祇園祭礼信長記』として上演され、江戸では同年夏(推定)森田座で初演される。






参考文献

『新訂増補 歌舞伎事典』下中直人編 平凡社 平成12年