近年、人文学で扱う紙ベースの学術資料のデジタル化と、それらのWebによる公開が急速に進んでいます。日本においても、『国立国会図書館デジタルコレクション』がその代表で、国立国会図書館に所蔵されている多くの学術資料がデジタル化され、インターネット上に公開されています。その学術資料の中には、日本の地図・絵図などの古地図も多く含まれています。国立国会図書館をはじめ、国土地理院、東京都立図書館、国際日本文化センター、歴史民俗博物館、各大学図書館など多くの古地図を所蔵する機関が独自にWeb公開を積極的に進めており、また、海外においても、近年、Stanford大学が日本の外邦図をWebGISで公開するなど、日本の古地図が海外で注目を集めています。しかし、それらインターネット上に公開された日本の古地図を総合的・横断的に検索できる効果的なWebGISベースのポータルサイトは存在していません。
 2000年代中葉から、伝統的な人文学においても、ICTを活用して学術資料のアーカイブ構築、文化コンテンツの分析、学術成果の公開や展示の方法などを、文系・理系の連携・融合・統合によって複数の研究者によるプロジェクト型の研究スタイルをもつデジタル・ヒューマニティーズ(DH)が展開している。その中で、地理空間情報を扱う歴史GISは、人文学の空間的ターンとしての地理人文学(GeoHumanities)あるいは空間人文学(Spatial Humanities)などの人文学の新しい学問分野の形成において中心的な役割を果たしている。日本における歴史GIS、ひいては伝統的な人文学を、学際的・国際的な協働による新たなプロジェクト型の研究スタイルに飛躍的に展開させるためにも、その基礎資料となる日本の古地図を総合的に・横断的に検索し、さらにGIS分析を可能とするポータルサイトの構築が急務である。

Outline

企画名
2017年度 国際ワークショップ 「日本の古地図ポータルサイト」
日程

2018年3月 3日(土)10:00-16:45
4日(日)10:00-18:00
5日(月)9:30-16:00

場所
【1日目】立命館大学衣笠キャンパス 創思館1Fカンファレンスルーム
【2日目】平井嘉一郎記念図書館 カンファレンスルーム/シアタールーム
【3日目】エクスカーション
入場料
無料
Day1の午後の一部とDay2・3の参加には事前登録が必要です
言語
英語・日本語(同時通訳あり)

主催
立命館大学文学部地理学教室

共催
立命館大学アート・リサーチセンター
立命館大学歴史都市防災研究所
後援
京都府立京都学・歴彩館
京都市歴史資料館
ESRIジャパン株式会社
株式会社パスコ
(一社)人文地理学会
(一社)地理情報システム学会
(公社)日本地理学会

TimeTable

=Japanese =English =bilingual
DAY 1 / 3-Mar Saturday

(GIS Day in 関西 2018)

10:00-10:05 開会挨拶
10:05-10:50 Keynote ①
古地図の楽しみ方/How to enjoy old maps  
上杉和央(京都府立大学)
11:00-11:40 Keynote ②
ウェブ上の日本の歴史的な地図-スタンフォード大学での地図の保存と利用  
Historical Japanese maps online: preservation and access at Stanford University 
Julie Sweetkind-Singer (スタンフォード大学 ブラナー地球科学図書館)
11:40-12:20 Keynote ③
WorldMap: 地理空間協働を支援するためのプラットフォーム  
WorldMap: A Platform to Support Geospatial Collaboration 
Benjamin Lewis (ハーバード大学 空間分析研究所)
12:20-13:15 Lunch
13:15-14:30
GIS体験コース( 要事前登録
① ArcGIS Online ② ArcGIS Pro ③ 日本版Map Warper
14:45-15:15
プレ・ワークショップ
Speaker1
日本の古地図のポータルサイト/The portal site of Japanese old maps 
カリフォルニア大学バークリー校所蔵 古地図コレクションの来歴と今後の展開
―渡米からデジタルアーカイブまで―  
矢野桂司(立命館大学)・塚本章宏(徳島大学)
15:15-15:45 Speaker2
古地図の難問
The Challenge of Historical Maps 
Radu Leca ラドゥ・レカ(Leiden University)
15:45-16:15 Speaker3
徳島大学附属図書館の古地図高精細アーカイブ 
High Resolution Archive of Old Maps Tokushima University Library
平井松午(徳島大学)
16:15-16:45 Speaker4
神戸市立博物館のデジタルアーカイブの現状 -古地図資料を中心に- 
Current State of Kobe City Museum's Digital Archives: with a Focus on Old Maps 
小野田一幸・永山未沙希(神戸市立博物館)
17:00- Reception/諒友館食堂
DAY 2 / 4-Mar Sunday

Workshop 「日本の古地図ポータルサイト」

9:30-10:10 Coffee/Library
10:10-10:40 Speaker1
趣旨説明 
矢野桂司(立命館大学)・塚本章宏(徳島大学)
10:40-11:10 Speaker2
京都学・歴彩館 地図・絵図資料の現状 
Kyoto Institute, Library and Archives Present Situation of Maps/Antique Maps 
岡本隆明(京都府立京都学・歴彩館)
11:10-11:40 Speaker3
京都市歴史資料館所蔵の古地図の利用について 
Availability of Old Maps Owned by the Kyoto City Library of Historical Documents 
松中 博(京都市歴史資料館)
11:40-12:10 Speaker4
国際日本文化研究センター所蔵地図資料 
Discoverability / Findability of Maps Owned by the International Research Center for Japanese Studies 
江上敏哲(国際日本文化研究センター資料課)
12:10-13:10 Lunch
13:10-13:30 Speaker5
横浜市立大学における古地図データベースについて 
Yokohama City University Library & Information Center "Database of Historical Maps" 
海浦浩子(横浜市立大学学術情報センター)
13:30-14:10 Speaker6
早稲田大学図書館「古典籍総合データベース」と古地図 
Waseda University Library Kotenseki Sogo Database and Historical Maps 
藤原秀之(早稲田大学図書館)
14:10-14:40 Speaker7
歴史展示における古地図の利用 
西山 剛(京都府京都文化博物館)
14:40-15:00 Coffee
15:00-15:30 Speaker8
近代地図の画像テータベースの可能性: 外邦図を例に 
小林 茂(大阪大学名誉教授・大阪観光大学教授)
15:30-16:00 Speaker9
国土地理院「古地図コレクション」 
Geospatial Information Authority of Japan (GSI)Old Map Collection
市木文康(国土地理院 情報サービス課)
16:00-16:30 Speaker10
街歩き事業への京都市明細図の活用について 
福島幸宏(京都府立図書館)
16:30-16:45 Break
16:45-17:30 Discussion/歴防
with Toshie Marra(UC Berkeley)※Skype
17:45-19:30 Reception/究論館
DAY 3 / 5-Mar Monday

Excursion

8:20- 集合:四条烏丸(南下ル西、ココン烏丸付近)
8:30- 四条烏丸でピックアップ
9:30-10:30 国際日本文化研究センター
11:30- 京都府立京都学歴彩館(見学)
13:00-14:00 Lunch/京都大学「レストラン SHIRAN」
14:00- 京都大学附属図書館・京都大学総合博物館(見学)
16:30- 京都駅八条口 解散
17:00- アーバイン京都四条大宮、ホテルモントレ京都で解散

Form

受付は終了しました。

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