A4-6 毒婦高橋お伝

「其名も高橋 毒婦の小伝 東京奇聞 七編」
編著者:岡本勘造 絵師:桜斉房種 
判型:中本 全3冊第3巻(3冊目) 出版:明治12年(2879)3月
所蔵:立命館ARC 作品番号:arcBK03-0107.

【解説】
 明治の毒婦として世に喧伝された女性。明治9年(1876)8月28日、古道具商後藤吉蔵が殺され、金が奪われた。犯人として捕縛されたのは、高橋お伝である。お伝は犯行を否認し、虚言を続ける。裁判は延々と続き、新聞各紙を賑わせたが、13年1月31日斬首された。数々の男性との関係をもって、多情、淫婦とされ、処刑後は、解剖されて身体の一部は保存されているとされる。

高橋お伝ものとしては、他に以下のものを挙げることができる。
明治12年2月、仮名垣魯文(作)『高橋阿伝夜叉譚』
明治12年5月新富座「綴合於伝仮名書」黙阿弥(作)
武田交来(作)『綴合於伝仮名書』(黙阿弥作品の正本写)
明治13年5月「高橋おでんくどき」
明治15年には、仮名垣魯文を発起人として、谷中天王寺にお伝の墓が建てられた。
その後も、横瀬夜雨『近世毒婦伝』、邦枝完二らによって、小説や演劇の題材とされている。(a.)