座談会 北斎・広重と東海道
「有燐」400号に掲載されている、小林忠、鈴木良明、永田生慈、他2氏による対談で、北斎や広重の風景画について説明されている。
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一条戻橋
頼光四天王の一人、渡辺の綱が都を見回りに馬に乗って一条戻橋にさしかかった。そこには、若く美しい女性が立っていた。綱が不思議に思い、声をかけると、「私は五條まで帰る道ですが、道が悪くて困っています。どうか馬に乗せて送ってください」という。
綱は女を乗せて、橋を渡ろうとして、ふと水に映った姿をみると、それは恐ろしい鬼ではないか。綱は、刀に手をかけると、鬼はたちまち正体を現し、綱の首筋をつかんで、空に飛上っていった。
綱は、刀を抜いて、鬼の腕を切落すと、鬼は悲鳴を上げて、飛び去っていった。綱は、鬼の腕を持帰り、箱にいれて注連縄をはっておいた。
それから六日目の夜、綱のおばあさんが訪ねてくる。「綱、この間、鬼の腕をとったそうだが、見せておくれ」。綱は箱のふたを開けて、鬼の腕を見せた。お婆さんは左手を出して腕をつかみ、たちまち鬼になって天井を突破り、空高く飛び去っていった。