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紙の繊維の伸び方

紙は水に濡れると伸びます。
それは、繊維そのものが伸びていることとが考えられます。
また、離解の過程からわかるように、繊維同士の結合が弱まって、
隙間が広がることも考えられます。

では繊維そのものは、どのように伸びるのか?
縦に伸びるの?水を含んだ分直径が大きくなって、横に伸びるの?
これを見たいけれど、それが可能な機材がない…。
そこで方眼紙、和紙、レーヨン紙、濾紙など5種類を用意し、
紙の縦と横を150mmに決めて、大まかに見てみます。


方眼紙
 30分水に浸す。

    155.5mm

    149.5mm


手漉きの楮紙
  30分間水に浸す。

    151mm

    150mm


版本
  30分間水に浸す。

    152mm

    151mm


レーヨン紙
  30分間水に浸す。

   153mm

    151mm


濾紙
  30分間水に浸す。

    151.5mm

    151.5mm


結果
紙の目に沿って繊維がすべてそろっているわけではないが、
紙の繊維は、縦より横の方が伸び率が高い傾向にあった。
つまり、繊維の長さ方向よりも直径方向に伸びる
また、ここでも洋紙の横方向の伸び幅は一番大きかった。
逆に縦方向には縮んでいる…?不思議だ。

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コメント

サンプルで典具帖紙を使ってはいかがでしょうか。
同条件で伸縮があるのであれば他の紙よりも繊維間の観察はしやすいかもしれません。
典具帖と呼ばれて販売されている紙が薄く一様に漉ける理由などと考えあわせると繊維の結びつきの別側面が見えるかもしれません。

典具帖、どうなるんでしょう。
やってみます。

試験の前に考えていただきたいことですが。
繊維間のイオン結合だけで典具帖紙が成り立つと思われますか?

ネリが入っているからでしょうか。

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