遍昭

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総合

僧正遍昭(816~890)

平安時代前期の歌人で、六歌仙・三十六歌仙の一人。俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)


百人一首第十二番)あまつかぜ雲のかよひぢ吹きとぢよ乙女のすがたしばしとどめむ

歌意:空を吹き渡る風よ。どうか、雲の中にあるという、天に通じる道をふさいでおくれ。舞い終わって、天に帰って行くおとめたちの姿を、もうしばらく、ここにひきとめておきたいから。


小野小町が容色の衰えを歎いた「花の色はうつりにけりな」に、「乙女の姿しばしとどめむ」の句が呼応すると考えられる。因みに遍昭は小町と親しかったらしく、名高い贈答歌を残している。へんじょう


画題

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解説

画題辞典

遍昭、通常僧正遍正を以て知らる、六歌仙の一なり、俗姓良峯宗貞、仁明天皇の時、朝に仕へて蔵人頭になり、寵を蒙りて左右に侍せしが、天皇崩御の後、哀慕の情に堪へず、叡山に上りて出家し、名を通正と改む、貞観中常康親王の第雲林院を給はりて之に居り、後元慶寺を創めて座主となる、元慶三年權僧正となり。次いで僧正に進む、光孝天皇の帰依厚く、高僧の誉あるのみならず、又和歌に於て堪能の聞高し。あまつ風雲の通路吹きとぢよ乙女の姿しばしとゞめんの詠は百人一首の撰にも入りて最も世に知らる、後世その像を画くもの多きが中にも、土佐光起の筆(山城春浦院所蔵)知らる。又英一蝶の所画滋賀某氏所蔵にあり、尚ほ六歌仙二十六歌仙の条を見るべし。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

そうじょうへんじょう「僧正遍昭」を見よ。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)