百合

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ゆり


画題

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解説

東洋画題綜覧

百合は洽く知られた鱗茎植物で、百合科に属してゐる、その特長は茎は直立して竹のやうな葉を生じ、花は花蓋が六弁で、中に雄蕊六本雌蕊一本あり、鐘状を呈し、外に捲く性のあるものもある。種類極めて多い。山百合は山野に自生し、花極めて大きく白色で、弁には褐色の斑点数多ある、叡山百合、鳳来寺百合など地方により種々の異名があり、一茎数十輪を附けるものがある。鹿の子百合は山百合に似て小形、淡紅色を帯び花弁の斑点濃紅色を呈し極めて美しい。車百合は花の輪やゝ小さく紅色で黄色を帯び、葉が一つ所から車輪のやうに六葉づつ出て一二層をなし、上部は一二片となる、これに似たものに、武島百合がある。鉄砲百合は栽培種で花は白色、鐘状をなし、全部開き切らず、弁に斑点がない、上品にして美しい。これに似たものに姥百合がある、山野に自生し大輪で、葉が細長い心臓形をなす、透百合は春透百合と夏透百合とあり、茎に細毛があり橙黄色で、弁の間に間隙があるので此の名がある。笹百合は山地に自生する、淡紅色を帯び、花弁薄く葉は笹に似て可憐である。姫百合は花が小形で扁平に開く所が特長であり、樺色を呈し品位あり、鬼百合は紅色で黄色を帯び、黒褐色の斑点があり、花弁が外に捲く特長が著しい。これに類したものに小鬼百合がある。黒百合は本邦では北国に産する、越中立山の産最も聞え、北野の大茶会に佐々成政が北政所に此花を献じ淀君の忌諱に触れて身を亡ぼしたのは有名な伝説である。其名称百合は鱗茎の形から来て居り、ゆりは揺りで、花が風に揺れて動く所から来てゐる。古来詩歌に詠賦せらるゝこと多く枚挙に遑もない。      

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)