瑠璃鳥

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るりちょう


画題

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解説

東洋画題綜覧

普通に瑠璃鳥と呼ぶ小禽に二種ある、一は大瑠璃で鶲科に属し、一は小瑠璃で鶇科であり、形はやゝ大瑠璃が大きいが色彩もよく似てゐる、その相違点は大瑠璃の雄は顔から胸に至るまで黒色であるが、小瑠璃は胸が白い総べて絵画に現はるゝものは雄である。

おほるり(大瑠璃)鶲科の内最大形にして色彩極めて美しく、且鳴声佳なるを以て籠鳥として広く愛翫せらるゝ種類なり、雄は背面は凡て美麗なる璃璃色にして、頭上は空青色を呈し、顔は黒色なり、尾羽は中央の二枚以外は基部白色なり、下面は脇及咽喉より胸に至る迄黒色にして以下は白色なり、嘴は黒色脚は褐色なり、雌は全然色彩を異にし背面は一様に茶褐色にして顔及嘴の周囲は黄色を帯び下面は淡褐色にして腹及下尾筒は白色なり、翼長約一〇〇粍、嘴峰一五粍、東部西比利亜、東部満洲本邦等に産し冬季は支那を経て海南瓜哇ボルネオ等の地方迄到る、我国にては千島より台湾に至る迄各地に普通の種類あり。  (動物図鑑)

こるり(小瑠璃)小形の美しき種類にして、雌雄著しく色彩を異にす、雄は背面は濃き暗青色にして頭上は空青色を帯び、眼先より眼下及頸側に亘り太き黒条あり、腹面は凡て純白色にして脇にのみ暗青色を帯びたり、雌は背面は橄欖褐色にして上尾筒及尾羽は暗青色を帯ぶ、腹面は白色にして咽喉及頸側は黄褐色を呈し上胸は褐色の細かき波形斑を有す大さ翼長七五粍内外、嘴峰一六粍あり、東部西比利亜を経て支那南部、マラツカ半島、緬甸、ボルネオ等に到りて越冬す、我国にては樺太北海道本州の山地に棲息蕃殖す。  (動物図鑑)

大瑠璃、小瑠璃共に色彩が美しいので、花鳥画として画かるゝが秋早く去り陽春の候内地に渡来するので、時に晩秋の風物に此の鳥を配するものあるが、これは大なる誤である。

なほ瑠璃の描かれた作の主なもの左の如し。

土佐光起筆   『芙蓉瑠璃』   吉田楓軒氏蔵

松村景文筆   『松に瑠璃』   藤田男爵家旧蔵

柳里恭筆    『紅梅翠雀』   紀州徳川家旧蔵

速水御舟筆   『枇杷瑠璃鳥』  鈴木新吉氏蔵

西山翠嶂筆   『青梅小禽』   昭和十二年珊々会

田中咄哉州筆  『菊と小瑠璃』  昭和十年東京会

横尾翠田筆   『驟雨』     昭和十三年東京会

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)