活歴物

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かつれきもの


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歌舞伎

明治以後はじめられた歌舞伎の新時代物狂言の呼称。 江戸期の時代物が幕府の法令のため題材は古い歴史にかりながら、荒唐無稽な現代劇に過ぎないのに不満な九世市川団十郎は、明治維新により観客層が変ったのを機会に、作者河竹黙阿弥に依嘱して内容や演出扮装ともに史実に即した新史劇を執筆させた。この運動は当時の学者や新知識階級の賛成を得て、引続き上演されたが、種々の矛盾のため歌舞伎を見馴れた大衆からは面白くないという悪評をうけた。明治十一年十月黙阿弥作の「二張弓千種重藤(にちょうのゆみちぐさのしげとう)」(首実験の実盛)を上演した時、活きた歴史の意味で作家仮名垣魯文が「かなよみ新聞」紙上で「活歴」と呼んだのが語源となった。このことばは多少椰楡の意も含まれていたが、団十郎の名演技は相当の効果をあげ、後の新史劇の土台を作った点は、明治演劇史上の偉大な功績といえる。「桃山譚(ももやまものがたり)」「酒井の大鼓」「高時」などが有名。