楼閣山水

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ろうかくさんすゐ


画題

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解説

画題辞典

遠山近山流水樹木を適宜に配して山水画を作る間に楼閣を添へて画きたるもの、之を総称して楼閣山水といふ、北画に於て好んで作る所なれども、各方面の作極めて多し。仇英筆(東京帝室博物館所蔵)  孫君澤筆(秋元子爵旧蔵)孫君澤筆(徳川伯爵所蔵)    月山筆(川崎芳太郎氏所蔵)筆者不明元画(京都金地院所蔵) 周文筆(秋元子爵旧蔵)周文筆(井上侯爵所蔵)     狩野元信筆(島津公爵所蔵)同  (京都金地院所蔵)    同  (京都妙覺寺所蔵)雪村筆(川崎正蔵氏所蔵)    狩野常信筆(中川興三郎氏所蔵)谷文晁筆(徳川伯爵所蔵)

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

山川樹木等の間に楼閣を配したる山水画の一形式である、楼閣に就て『芥子園画伝』には曰く。

画中の楼閣有るは、猶宇中の九成宮、麻姑壇の精楷有るが如きなり、筆偏に意縦なる者は未だ嘗て栩々としてたゞ屑々として此れ事とせず、果して此を事とせば、則ち必らず古人に度越せんと以為はずんばあらず、其の筆を操るに及びては、十指先づ已に蚓結し終に点墨を落すこと能はず、故に古人の中、即ち放誕たること郭恕先の如きは、盈丈の巻を以て僅に其の一灑墨を得れば、屋木数角を乱作す、漫に法則無しと謂ふ可し、一旦にして矩尺を操り、黍粒を累ねて台閣を成せば、則ち杗桷榑櫨より以て罘罳に訖るまで霞のごとく舒び風のごとく動き毫髪も数ふ可きにあらざる無く、層々折々として、身を以て其境に入る可きなり、絶えて今人の及ぶ可きの功に非ず、乃ち知る古人は必ず小心に由りて放誕なることを、未だ放誕にして而も小心ならざる者有らず、夫れに界劃を以て竟に匠気と曰て置いて講ぜざるべけんや、夫れ界劃は猶ほ禅門の戒律のごときなり、仏を学ぶもの必ず戒律に由りて歩を進むれば、則ち終身走滾せず、否らざれば、則ち野狐に渉る、界劃は洵に画家の玉律、学者の入門なり。

と、楼閣山水は北画に多いが、必らずしも北画のみでなく、種々の方面の作に現はれてゐる。

孫君沢筆        (重美)  岩崎男爵家蔵

任月山筆              川崎男爵家蔵

伝狩野元信筆      (重美)  岡国臣氏蔵

伝石鋭筆        (同)   小熊幸一郎氏蔵

無款四季楼閣山水屏風  (同)   毛利公爵家蔵

曽我蕭白筆(六曲一双)     前田侯爵家旧蔵

谷文晁筆            徳川伯爵家蔵

無款六曲一双(伝元信)     京都金地院議

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)


山川の間に、楼閣を配して画いた山水画の一の形式。さんすいが「山水画」の項を見よ。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)