松尾祭

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まつおまつり


画題

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解説

東洋画題綜覧

松尾祭は京都嵯峨嵐山の南九町ほどの処にあつて杜鵑の名所であり、毎年四月上の酉の日に行はるゝ祭礼には神輿の渡御があり松尾祭と称へて有名である。

松尾社は梅津の西にあり、本社は祭る処二座にして大山咋神市杵島姫なり、大宝元年に秦都理といふ人、社を建て、分土山より遷し奉る、鎮座記には元明帝和銅二年四月十一日、始めて加茂より山城国山田庄荒子山に伝へ奉る、加茂の丹塗の矢化して松尾の神と現ず、則ち秦良兼同正光、松尾の守護となる今の社司の遠祖なり、松尾七社、月読社、櫟谷社、三の宮、宗像社、衣手社、四大神、当本社、例祭は四月上の酉日、仁明帝承和四年に始る、神輿七基、西七条の御旅所より桂川を舟渡しにて祭礼あり、八月朔日には鳥井の傍にて相撲あり京方嵯峨方とて東西に列す

四月八日松尾祭使に立て侍けるに、内侍は誰ぞと上卿の尋侍けるをりしも杜鵲の鳴ければ

時鳥しめのあたりに啼く声をきく我さへに名のりせよとや  後深草院少将内侍  (都名所図会)

松尾祭を画いた作

山下竹斎筆  『松尾祭』  第十一回帝展出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)