朝陽対月

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ちょうようたいげつ


画題

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解説

画題辞典

一僧破衣を縫ふ図を朝陽と称し、一僧月下経を誦するの図を対月といふ、古来二幅対として最も多く画かるゝ所なり。是れ古詩に、朝陽補破被、対月了残経、とあるより之を図したるものなり。之を図して名あるもの、

牧渓筆(伊達伯爵旧蔵)、明画(東京帝室博物館所蔵)、因陀羅筆(佐竹候爵旧蔵)、牧渓筆(上野理一氏所蔵)、仲安真康筆(福岡子爵所蔵)、龍杏筆(某氏所蔵)等あり。尚ほ対月の条下参照すべし。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

一僧は破衣を着て衣を縫ひ、一僧はに対つて経を誦している図で多く双幅として画かれている、これは古詩の

朝陽穿破衲、対月了残経

から来てゐるので、これに対する詩文もある。

     朝陽        樵隠

破綻通身不覆蔵、謾従刀尺上搏量、工夫綿密急着手、寒日初無一線長。

     対月        同

閑淹黒豆為誰忙、雪覆双眉眼闞霜、経巻難窮義難了、雲根幾度月昏黄。

     朝陽穿破衲     呆庵

切々用針錐、工夫要綿密、這回補不完、孤負天辺日。

     対月了残経

手中一巻経、天上一輪月、了々在目前、明々向誰説。

朝陽対月の描かるゝもの極めて多い。

牧谿筆             伊達伯爵家旧蔵

因陀羅筆  『朝陽』      佐竹侯爵家旧蔵

北礀筆 『対月』  川崎男爵家旧蔵

雪村筆   『朝陽対月』双幅  郷男爵家旧蔵

無款明画            東京帝室博物館蔵

無準筆   『朝陽自画賛』   郷男爵家旧蔵

卒翁筆   『対月』      神戸田村氏旧蔵

松花堂筆  『対月』      同上

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)