斑足太子

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はんそくたいし


画題

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解説

画題辞典

古代印度の神話中にある国王の子なり、摩訶陀国の王子にして、其父王嘗て牝獅子と交はり。獅子宮殿に来りて子を生む、足上斑駁あり、因つて斑足といふといふ、太子王位を紹ぐに及び、性獰猛好んで小児を食ふ、こゝを以て千の小国相結びて王を捕へ耋閣崛山に放つ、羅刹之を得て鬼王となし、却つて千の小国爲王を捕へ殺さんとす、中に須陀須摩王あり、斑足王為めに四無常偈を説く、王之を聴きて空平等地の證悟を得、怨親平等の念を生じ。遂に諸小国王を放還せりといふ、仏画として画かる。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

印度神話中の一、斑足は印度摩訶陀の王であつた、曽てその父、千の小国の王であつた時一日山を巡り、獅子に値ふ、衆人悉く逃げ去り王はその牝獅子と交り、のち月満ちて獅子殿上に来つて子を産む、養うて之を太子としたが足上斑駁があるので、人呼んで斑足といふ、やがて太子は王位に昇つたが、好んで人肉を食ふ、こゝに於て千の小国相結んで、これを襲ひ捕へて耆闍崛山に放つ、羅刹これを得て鬼王となし還つて千小国王を捕へ之を殺さうとした、中に須陀摩王があり、斑足王のために四無常偈を説いた、王この偈を聞き、ために空平等地の証悟を得、怨親平等の念を生じ、遂に諸の小国王を放還した。  (仏教辞林)

誠なるかな天竺の斑足王は、仁王経の功徳に依りて千王を害することを休め、吾が朝の楠正成は大般若講読の結縁に依りて、三毒を免るゝことを得たりき、誠に鎮護国家の経王利益人民の要法なり。  (太平記二三)

印度神話として画かれ、また仏画として画かれたものがある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)