徳川家康

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とくがわいえやす


画題

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解説

画題辞典

徳川家康、徳川最初の将軍家にして、東照権現を以て知らる。天文十一年十二月参河国岡崎に生る、父は廣忠、幼名は竹千代、後元信と改め更に元康といい家康と改む。六歳の時織田信秀に拘せられて尾州に在る三年、後復今川義元の質となり駿府に抵る、此間永祿二年今川氏の織田氏と相峙する時、重囲を犯して大高城に兵糧を入れたるに家康が少年時代の大功績なり、今川氏亡びて後、漸次駿遠参三国を収め、勢力漸く振ひ、元亀元年居城を濱松に移し、織田信長の請によりて朝倉義景と姉川に戦ひ、又武田信玄と三方原に戦ふ、信玄歿後、天正六年その嗣勝頼を長篠に破リて武田を亡ぼし、海道一の弓取の名天下に振ふ、信長歿後信長の子信雄を援けて豊臣秀吉と小牧に戦ひ、之を破りしは最も有名なることなり、後秀吉と和し、天正十三年京に入りて秀吉に謁見の礼を執る、此月権中納言となり、従三位となり、城を駿府に移して之に居る、同十八年秀吉小田原の北条氏を亡ぼすの後、改めて領を関東八州に受け、江戸城を以て居城となす、是より先、大納言に進みしを以て世に江戸大納言と呼ばる、慶長元年正二位内大臣となり、五大老となりて前田利家等と天下の庶政を統治す、秀吉薨じて後、石田三成等の家康に対して兵を挙ぐるあるや、之と関ヶ原に対戦して遂に之を破り、事実に於て天下の権を掌握す、慶長八年征夷大将軍に拝す、続いて大阪城に豊臣秀頼を破りて全く豊臣氏の後を亡ぼし、諸将を服し、始めて徳川氏の天下を啓く、是より先き慶長十年已に将軍職を子秀忠に譲り、自ら駿府に退き、大御所として世に重んぜられしが、元和二年四月十七日を以て薨ず、年七十五、其夜直に久能山に葬る、三年東照大権現の勅号を賜はり、正一位を贈らる、次いで下野日光山に改葬す、正保三年更に東照宮を賜はる、江戸時代に於ては、権現様、東照神君等の尊称を以て呼ばれたり、その画像は伝はるもの甚だ多しと雖も、

東京寛永寺塔頭青龍院所蔵狩野探幽の筆に成るもの、及、日光東照宮、及、館林善導寺所伝のもの等真を得たるものとして知らる、一代の史実亦画かるゝ所多し。尚東照宮の条参照すべし。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

徳川最初の将軍、幼名を竹千代と呼び、後元信、元康、次で家康に改めた、広忠の長子母は伝通院水野忠政の女、天文十一年十二月参州岡崎城に生れた、六歳の時、尾張国主織田信秀の許に人質たること三年、再び今川義元の質となり駿府に赴く、弘治二年元服、永禄二年義元のために重囲を脱して大高城に兵糧を入れ義元を感激せしめ、為めに大高城を守り、始めて故郷に帰るを得た、義元桶狭間に死するや徳川氏は漸く独立し、尋で義元の子氏真と絶つて三河を悉く平定し、九年三河守となる、これより先、武田信玄、今川氏真を攻めんとするや家康を通じ駿遠の分領を約したが今川氏亡び遂に遠州は家康の手に帰した。元亀元年織田信長朝倉義景を討たんとして族を求むるや兵を出して姉川に戦ひ、二年従五位侍従となる、会々信玄密に遠江を略せんとしたので家康怒て信を断ち、三方が原に戦ふ天正六年五月には信長を援けて武田勝頼と長篠に戦ひ、信長勝頼を亡すや、駿河は家康の有となる、信長本能寺に於て光秀に弑せらるゝや家康時に堺にあり、急遽岡崎に引返し軍を整へ京都に入らんとしたが、秀吉既に光秀を誅したと聞いて中止す、尋で北条氏直と和す、十二年会々秀吉、信長の子信雄を除かんとしたので信雄は援を家康に求めた、是に於て家康小牧山に軍を出し秀吉の軍を破つたが永く戦ふの不利を覚り、秀吉と和す、十三年秀吉は生母大政所を質とし且妹朝日姫を家康に嫁し切に入洛を勧めたので家康亦子秀康を秀吉の養子とし暗に質に擬して京都に入り秀吉に謁見の礼を執つた、十五年従二位権大納言となる、十八年小田原征伐の起るに及び、海道の諸城を修して秀吉の軍を迎へ北条氏亡びて後関八州を領し江戸城に移つた、文禄元年征韓役には名護屋の本営にあつて枢機に参し慶長元年には正二位内大臣に進み大老となる、三年秀吉薨ずるの後、石田三成等家康を仆さんとしたので、これを関ケ原に敗り勢天下を圧す、八年二月征夷大将軍を拝す、十年四月軍職を秀忠に譲り駿府城に移つたが、大事に至つては悉く自から之を裁決した、十九年方広寺の鐘銘によつて戦期を挑発し冬夏の陣で豊臣秀頼を亡ぼし兵馬の権悉く徳川氏に帰した、元和二年二月太政大臣に任じ四月十七日薨ず年七十五、其夜久能山に殯し、後日光に改葬した、正保三年東照宮の神号を賜ふ。  (徳川実紀)

徳川家康の事跡を画いたものでは、日光東照宮に探幽筆東照宮縁起絵巻があり、肖像としては左の作がある。

狩野探幽筆  『家康天海対座』  上野寛永寺蔵

同座像              東京青竜院蔵

前田青邨筆  『大垣の家康』   七絃会出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)