寒山拾得

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かんざんじっとく


画題

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解説

唐の時代に天台山国清寺にいたとされる隠者。寒山作とされ閭丘胤序の『寒山詩』が存在し、その序文によって寒山、拾得の逸話が伝わる。寒山拾得図は、北宋時代から描かれ、日本でも多くの画家が描く。

髪...===画題辞典===

寒山拾得は二人の道士なり。時を同うして出づ、唐の憲宗の時の人なり。初め天台山国清寺の高僧豊干禅師、一子を拾うて寺に連れ帰り、灑掃庖厨の事を司らしむ、之を拾得という。又附近に一貧士あり、寒巌に往めるが故に寒山と呼わる。国清寺に来り拾得より残飯を得て喫す。二子共に詩を善くす、之を蒐集せるもの寒山子詩集あり。或はいう、寒山は文殊大士の権化にして、拾得は普賢大士の化身なりと、二子の嬉戯の状俗世を超越して恬淡の趣致多きより、禅僧等好んで之を画き、遂に好画題となり今に及ぶ。和漢画家の画きしものにして名あるもの極めて多し、就中今に残りて名あるもの

門無関筆(土屋子爵所蔵)、梁指筆(秋元子爵旧蔵)、梁指筆(磯貝静蔵氏旧蔵)、因陀羅筆(益田孝氏所蔵)、因陀羅筆(森岡男爵所蔵)、顔輝筆(黒田侯爵所蔵)、伝顔輝筆(川崎芳太郎氏所蔵)、可翁筆(東都龍光院所蔵)、可翁筆(郷男爵所蔵)、可翁筆(上野理一氏所蔵)、周文筆(津軽伯爵所蔵)、兆殿司筆(京都東福寺所蔵)、相阿弥筆(浅野侯爵所蔵)、相阿弥筆(黒田侯爵所蔵)、海北友松筆(京都妙心寺所蔵)、一之筆(安芸佐々木氏所蔵)、俵屋宗達筆(菱木某氏所蔵)、緒方光琳筆(川崎芳太郎氏蔵及別府金七氏所蔵)、曽我蕭白筆(京都興聖寺所蔵)、謝蕪村筆(讃岐妙法寺所蔵)等を推すべし。現代作家の作亦極めて多し。

(『画題辞典』斎藤隆三)

(分類:中国)

東洋画題綜覧

唐の憲宗の時代、時を同じうして出た二人の道士、拾得は初め天台山国清寺の高僧豊干禅師に拾はれたので此の名があり、附近に一貧士があり、寒巌に住んでゐたので寒山と呼ばれ、国清寺に来ては拾得から残飯を貰つて食べてゐた、詩をよくし、その集に寒山子詩集がある、或はいふ、寒山は文殊の権化であり、拾得は普賢の化身であると。

天台寒山子者、本無氏族、始豊県西七十里、有寒明二巌、以其於寒巌中居止得名也、容貌枯忰布襦零落、以樺皮為冠曳大木履、時来国清寺、就拾得、取衆僧残食菜滓食之、或廊下徐行、或時叫噪望空慢罵、寺僧以杖逼逐、翻身拊掌大笑而去、雖出言如狂而有意趣、一日豊干告之曰、汝与我遊五台、即我同流、若不与我去、非我同流、曰、我不去、豊干曰、汝不見我同流、寒山却問、汝去五台作什麽、豊干曰、我去礼文珠、曰汝不是我同流、曁豊干滅後、閭丘公入山訪之、見寒拾二人囲炉語笑、閭丘不覚致拝、二人連声咄咜、僧驚愕曰、大官何拝風狂漢邪、寒山復執閭丘手笑而言曰、豊干饒舌久而放之、自此寒拾相携出松門、更不復入寺、閭丘又至寒巌礼謁送衣服薬物、二士高声唱之曰、賊便縮身入巌石縫中、唯曰報汝諸人、各々努力、其石縫忽然而合、閭丘哀慕令僧道翹尋其遺物、於林間得葉上所書辞頌及題村墅人家屋共三百余首、伝布人間、曹山本寂禅師注釈、謂之対寒山子詩。  (伝灯録二七)

天台拾得者、不言名氏、因豊干禅師山中経行至赤牛、道側聞児啼声遂尋之、見一子可数歳初謂牧牛子、及問之云、孤棄于此、豊干乃名為拾得携至国清寺、付典座僧曰、或人来認必可還元、後沙門霊熠摂受令知食堂香灯、忽一日輒爾登座与仏像対盤、而餐復於憍陳如上座塑形前呼曰、小果声聞僧駆之、霊熠忿然告尊宿等罷其所主、令厨内滌器常日斎畢、澄瀘食滓以筒盛之、寒山来即負之而去、一日掃地、寺主問、汝名拾得豊干拾得汝帰、汝畢竟姓个什麽、在何処住、放下掃箒又手而立、寺主闍測寒山槌胸云、蒼天々々、拾得却問、汝作什麽曰豈不見道、東家人死、西家助哀、二人作舞哭笑而出、有護伽藍神廟、毎日僧厨下食、為鳥所有、拾得以杖扶之曰、汝食不能護、安能護伽藍乎、此夕神附夢干合寺僧曰、拾得打我詰、且諸僧説夢符同、一寺紛然牒申列県、郡符至云、賢士閲遁菩薩応身、宜用旌之、号拾得為賢士、  〔隠石見寒而逝山章〕

時道翹纂録寒山文句拾得偈附之、今略録数篇見別巻。  (伝灯録二七)

寒山拾得は、道釈人物画中、好画題として、或はこれを双幅とし、或は豊干を加へて三幅対とするなど、その作挙げて数ふべからず、有名なものを左に列挙する。

牧谿筆    寒山拾得(重要美術品)  尾張徳川黎明会

馬麟筆    寒山拾得         紀州徳川家旧蔵

牧谿筆    拾得(東山御物)     松本双軒庵旧蔵

梁楷筆    寒山拾得         藤田男爵家旧蔵

松花堂筆                同上

因陀羅筆   寒山(玉堂賛)      川崎男爵家旧蔵

可翁筆    拾得           同上

雪舟筆    拾得           前田候爵家旧蔵

顔輝筆    寒山拾得         郷男爵家旧蔵

同      寒山拾得         黒田侯爵家蔵

可翁筆    寒山拾得         京都竜光院蔵

相阿弥筆   寒山拾得         黒田候爵家蔵

伝周文筆   寒山拾得         津軽伯爵家蔵

尾形光琳筆  寒山拾得         川崎男爵家蔵

俵屋宗達筆  寒山拾得         菱木某氏蔵

応挙筆    寒山拾得         川崎男爵家旧蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)