十界

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じっかい


画題

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解説

画題辞典

十界は仏教に於て迷悟の階級を十種に区別したるものなり。地獄界、餓鬼界、畜生界、阿修羅界、人間界、天上界を迷界とし、声聞界、縁覺界、菩薩界、仏界を悟界となし、又霊界となす。この観念は浄土教の興起と共に当時の人心に深く印せられたるものにて、恵信僧都が往生要集など是等を説明せるものなり、来迎寺所蔵の十三幀は円融天皇が往生要集に御感の餘り図絵せしめしなれども夜々悪趣の叫喚あり為めに返されたるものとの伝説あり、十界の図の優秀なるものに左の諸図あり。

京都禅林寺所蔵(筆者不明)、近江来迎寺所蔵(伝巨勢弘高筆)、大和当麻寺所蔵(伝恵信筆)皆国宝なり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

十界とは、地獄餓鬼、畜生、修羅、人間、天上、声聞、縁覚、菩薩、仏をいふ、この十界の中、前の地獄から天上に至る六界は、全くの迷妄の世界であるから、これを六凡といひ、声聞以上の四界は、その程度に分満あるが、悟理の世界であるから、これを[[四聖といふ、されど完全円満の悟界は、唯仏界のみであるから、因果二地をもつてこれを因地といふのである、天台大師の観法に用ひた語である。

十界の作として最も有名なのは近江の来迎寺蔵のもので、同寺にはもと十界三十図揃つてゐたといふ、今では地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六界を描いたもの十五幀を存するばかりといふ、寺伝によれば、是等の図は恵心僧都が、円融天皇の勅によつて之を宮中に上つた処、紫宸殿に奉安すると夜々鬼啾が聞えて堪へ難いので、遂に僧都に返却されたと伝へられる、図上には僧都の著『往生要集』から採つた賛文がある、此の外になほ左の作がある。

筆者不明    京都禅林寺蔵

伝恵心僧都筆  大和当麻寺蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)