一字金輪

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いちじこんりん


画題

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解説

東洋画題綜覧

五仏頂の一、梵名を翳迦訖沙羅鳥瑟尼沙斫訖羅、といひ訳して一字頂輪王、一字金輪仏頂王、金輪仏頂王、大金輪明王、一宇仏頂輪王、若くは略して頂輪王といふ、胎蔵界曼荼羅、釈迦院の五仏頂の内、最勝仏頂に相当す、其一字真言茲に持する所の金輪に随ひ名を得てゐる、其徳広大無辺にして諸尊に勝れたること此の尊に若くものなく、金剛界大日如来の形色で、日輪に住す、是即ち金剛界果徳の仏、下つて胎蔵界の因徳に住するもの、凡聖即一迷悟一体の道理を表す、其内証は無漏智生ずるの時も、凡夫に異らざる義を顕はし、智界果徳の尊、胎蔵因徳の三昧に住する、是則ち肉身を転ぜずして無漏の果を得るの意、而して此の金輪に二種ある、一は大日金輪、宝冠の形、二は釈迦金輪螺髪形で、釈迦の所変である、種子は勃嚕唵〈ぼろん〉三昧耶形は八輻の金輪、密印は二手内縛、二中指を立て鉤形の如くし、二頭指を屈し二大指を以て二頭指の側を押せるもの、形像は金剛頂経一字頂輪王瑜伽一切時処念誦成仏儀軌に『金剛の宝冠を戴き、輪鬘を首飾とし、衆宝荘厳の具、種々に挍飾し知拳の大印を持し、師子座に処る、日輪白蓮の基なり」と云ひ、又一字頂輪王経巻一には『転輪王形に作り功徳相を以て壮厳し七宝成就せり』といふ、故に周囲に輪王の七宝(金輪、象、馬、珠、女、主蔵、主兵)を配した、この一尊を本尊として修する法を一字金輪法と称し、四種檀法の内では息災法である、即ち殊に天変日月蝕の時之を修す、東寺では此法及び准胝法を以て第一秘法とし、一字法は長者でなければ修すべからずと定めてある。   (仏教大辞彙)

仏画としては一字金輪仏があり、曼荼羅に一字金輪曼荼羅があり、左の作が有名である。

一字金輪仏            団男爵家蔵

同               九鬼男爵家蔵

同      (重要美術)    原富太郎氏蔵

一字金輪曼荼羅(国宝)      大和南法華寺蔵

同上     (同)       伯耆鰐淵寺蔵

一字金輪曼荼羅(重要美術)    益田男爵家蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)