和歌懐紙

10 霊元天皇宸翰和歌懐紙 一幅 (三五、二×五〇、一)
霊元天皇(一六五四〜一七三二)は後水尾天皇の第一九皇子、母は園基音の女国子(新広義門院)。
在位は一六六三年〜八七年。関白近衛基煕と対立するなどしたが、天皇は朝儀の復興に力を尽くした。文芸に造詣が深く、
作った歌は六千首を超えるともいわれ、また撰著も『乙夜随筆』をはじめ多い。
その書風は父後水尾天皇の影響をうけているが、洗練さを増した分だけ、父の天皇にはみられた個性を失いつつある。