和歌懐紙

06 後奈良天皇宸翰和歌懐紙 一幅 (三四、〇×四七、〇)
後奈良天皇(一四九六〜一五五七)は後柏原天皇の第二皇子、母は勧修寺教秀の女藤子(豊楽門院)。
在位は一五二六年〜五七年。朝廷の財政がもっとも困難な時期で、天皇も即位式を挙行したのは、
践祚一〇年後の天文五年(一五三六)ことで、大内氏らの献金によって実現した。
署名にある「知仁」は天皇の諱。天皇の書のうちで永正一八年(一五二一)以降は「二品」と署名することが多いから、
「無品」はそれ以前に書かれたものであることがわかるが、おおらかで重厚、かつ流麗闊達な筆致は、
父の書風をよく受け継いだものといえよう。『後奈良天皇宸記』などがある。