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修法の現場 密教修法を遂行するには、これらを立ち上げる僧達をはじめ、行う場所、荘厳する道具、これらを支える仏教的世界観などが必要であった。修法の技術や内容を後世に伝えるため、或いは修法を継続して行うため、或いは深淵広大な世界観を理解するため、寺院には様々な記録が残された。 記録のみで当時を再現することはできない。しかし、密教世界の一端を開示した細部の記録は、脚色なくかつての威勢を我々に伝える。
王法仏法相依の軌跡 様々な密教修法が創出された院政期は、法皇と修法に秀でた僧の時代でもある。貴種の天皇を擁した法流は、他流に対する優越性を培い、周辺には優れた文化や修法が生み出された。王家に並行し、鎌倉時代の摂関家では菅原道真など、真言宗では祖師弘法大師空海に対する結びつきを強め、それぞれの存続を保持した。中世の人・仏習合は、夥しい種類の修法や聖教を生成したが、流行は瞬く間に過ぎ去った。 王法と仏法の蜜月関係によって生み出された文化は、仏教という枠組みを越え、現在に「盛者必衰」の意味を伝える。
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