箙の梅
えびらのうめ
画題
画像(Open)
解説
(分類:武者)
東洋画題綜覧
源平生田の森の戦に、梶原源太景季が咲き匂ふ梅を箙にさして笠印とし奮戦した物語は、謡曲にもあるが、『源平盛衰記』に曰く、
梶原は心の剛も人に勝れ、数奇たる道も優なりけり、咲き乱れたる梅が枝を胡簶に副てぞ指たりける、蒐れば花は散けれども、匂は袖にぞ残りける。
吹風を何いとひけん梅の花散くる時ぞ香はまさりける
といふ古き言まで思出ければ、平家の公達は花箙とて優也やさしくと日々にぞ感じ給ひける。
これを画いたものに左の作がある。
小堀鞆音筆 『梶原景季箙の梅』 野口信太郎氏蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)