梧桐
あおぎり
画題
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解説
東洋画題綜覧
梧桐は元支那の植物で、梧桐科といふ一科をなしてゐる落葉喬木で、高さは三丈幹廻り三尺位になる、皮は青白色で繊維も強く、葉も大きく直径一尺に及ぶものがある、青梧桐、青桐などと書き『あやぎり』『あをによろり』『いつさき』などの方言もある、『あをぎり』の名はその外皮の青い処から来てゐるので、桐と違ふ処は葉に細い毛のない点、肌の色等で、花も全然形が違つてゐる、黄白色五弁の小花で多く集り咲き秋になると長さ二寸ばかりの莢形の実を結び、これが裂けて舟のやうになり果実はその周辺に附く、この種子のことを支那では櫜鄂と呼ぶ、箭を受ける器のことである、その葉美しく夏は以て蔭を作り、苦熱を忘れしめ、その景観、雨によく月によい。
絵画に画かるゝことも極めて多い、主な作を左に挙げる
田能村竹田筆 『亦復一楽帖』中一図
同 『桐陰高士』
沈南蘋筆 『秋庭梧桐』 神戸田村氏旧蔵
速水御舟筆 『翠苔』 第十五回院展出品
荒木寛畝筆 『梧桐軍鶏図』 荒木十畝氏蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
あをぎりのこと、きり「桐」の項を見よ。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)