清滝
きよたき
画題
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解説
東洋画題綜覧
京都嵯峨山の西北陰にある川、小野郷村桟敷岳の山中に発し南流して梅ケ畑村を過ぎ、所謂栂尾槙尾高尾、の三尾皆此の西崖に並ぶ、愛宕山の東麓を繞り大井川に注ぐ、長さ五里、その合会の処二水ともに屈曲し山容水勢奇変を極む、怪岩聳え書冊を累ねたやうなのを書物岩と称へる、下流に愛宕山井に水尾村へ通ずる路かゝる、民家あつて清滝と字す。
東鑑云、暦仁元年洪水、栂尾清滝河辺蛇出(清滝は何処飛泉と云ふべき者なく通じて急灘なり、中にも栂尾と中川村の間に菩提滝と云ふがあり)散木集云、殿上の人々あまた具して、大堰より舟にのりて清滝と云所まで登りて遊びけるに、岩ともけはしくして波たかしとて返りけるに、
清たきはがんせきせんの所かな 隆源
なみたかせ舟わきかへらすな 俊頼
清たきや瀬々の岩なみ高尾山人もあらしの風のみやすむ (新勅撰集)高弁
きよ滝や波にちりこむ青松葉 芭蕉 (大日本地名辞書)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)