狐
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きつね
画題
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解説
東洋画題綜覧
哺乳動物の一、食肉類、体は一見犬に似てゐるが、一層細く歩脚も短く、吻は長く且つ尖つてゐる、瞳孔は楕円形をなし、縦に長い、耳を長くして尖つて居り、周囲の毛よりも明かに立つてゐる、尾は常に頭胴の合長の牛分よりも長く、房々とした長毛を叢生して居り、下毛も厚く密である、足には褥盤があつて往々毛が有り褥盤の間も常に毛が生えてゐる、乳房は三対あつて、歯は割合に小さく合計四二本尾端は殆ど常に白いが他の体部の色に依つて四つの色相を区別してゐる、即ち赤狐、十字狐、銀狐、黒狐である。此の獣は又一面一種蠱惑的な感じがするので、古くは瑞祥とされ、又一種不可思議な力を有するものとされ霊獣視せられたこともある、だから狐に関する説話口碑など枚挙に遑なく、絵画にもよく画かれる。主なもの左の通り。
狩野探幽筆 『狐図』 松方公爵家旧蔵
西村五雲筆 『秋茄子』 第十三回帝展出品
児玉希望筆 『枯野』 昭和十一年帝展出品
太田一彩筆 『狐』 第十一回帝展出品
片山牧羊筆 『おぼろ』 第七回帝展出品
山川秀峰筆 『安倍野』 第九回帝展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)