狩猟
かり
画題
画像(Open)
解説
東洋画題綜覧
弓矢鳥銃などを手にし、山野を跋渉して鳥獣など探り打捕ること、古くより行はれて、我が神代にも海幸山幸の物語があり、王朝時代にも馬に騎つて弓矢を手にし猟することは、楽しい行事の一つてあつた、それ故、『猟』は古くから絵に画かれ、歌にも詠ぜられ、時代々々に依つて多少その装ひなども変つて来た。鷹狩などもその一種である。―たかがり「鷹狩」―参照。
やすみしし、吾大王、高光る、わが日の皇子の、馬並めて、み猟立たせる、弱薦を、猟路の小野に、猪鹿こそは、い訇ひ拝がめ、鶉こそ、い匐ひもとほれ、猪鹿じもの、い訇ひ拝がみ、鶉なす、い訇ひもとほり、かしこみと、仕へ奉りて、ひさかたの、天見るごとく真十鏡,仰ぎて見れど、春草の、いやめづらしき、わが大王かも。 柿本人麿。
反歌
ひさかたの天行く月を網に刺しわが大王は蓋にせり。 (万葉集三)
猟を主題とした近作に左の諸点がある。
木島桜谷筆 『かりくら』 第四回文展出品
橋本関雪筆 『猟』 第九回文展出品
疋田芳沼筆 『同』 第十一回文展出品
平福百穂筆 『同』 第五回金鈴社出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)