燕子花
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かきつばた
画題
画像(Open)
解説
東洋画題綜覧
燕子花は鳶尾科に属し、水沢や池中に生じ人家にも多く栽ゑる、草あやめより大に、葉の長さ二三尺、夏茎を抽き花を開く、大抵葉よりは低く、大弁あやめより狭くして長く小弁は亦小さくして長く柱頭、弁端扁円にして二片、色総て紫碧、又白色紅色翠碧色、白質紫斑種々ある、根、いちはつと同じであるが味は彼の如く峻烈でない。 (草木図説)
一部学者の説に依れば、燕子花は『かきつばた』の漢名でなく、杜若また別の植物であるといふが、花の形、飛燕に似てゐる所から此の文字の用ひられてゐるわけである、姑く従来の例に慣ひ、此の漢名を用ひる。
花鳥画の好題材で、古来画かるゝもの少くない。
尾形光琳筆 八橋屏風 松平子爵家蔵
酒井抱一筆 同上 岩崎久弥男蔵
尾形乾山筆 同横物 松本双軒庵旧蔵
伝俵屋宗達筆 湯浅七左衛門氏蔵
狩野雪信筆 『燕子花鳰』 藤田香雪斎氏旧蔵
土田麦僊筆 第十五回帝展出品
荒木十畝筆 『初夏』 昭和八年東京会出品
田中咄哉州筆 『水精』 同年 日本南画院出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)