芍薬
しゃくやく
画題
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解説
東洋画題綜覧
芍薬は毛莨科に属する多年生草本で、支那から亜細亜の東北部を原産地とし古く日本に渡来し『ぬみぐすり』『ゑびすぐすり』など、称へ薬用に供されてゐたが、日本にも山芍薬と称する一種がある、その種類極めて多く、『本草綱目』には次の如く記してゐる。
芍薬に白きものあり、金芍薬と名づく、赤きもの木芍薬、千葉のものを小牡丹と名づく、十月紅き芽を生ず、春に至つて乃ち長じ、夏の初めに花を開く、五葉、牡丹に似て狭く細く、高さ一二尺、紅白紫の数種あり、其品凡そ三十種、千葉あり、単葉あり、楼子の異るあり、薬に入るるには単葉を用ふべし、子を結ぶ、牡丹の子に似て而て小さし、其根の紅白は花の色に従ふなり、洛陽の牡丹、楊州の芍薬、天下に甲たり。
芍薬を画いた作、主なもの。
銭舜挙筆 木村斯光氏蔵
藤井達吉筆 『山芍薬』 日本美術院展出品
小山大月筆 『芍薬』 同
小林観爾筆 『芍薬』 第六回帝展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)