七面鳥
しちめんちょう
画題
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解説
東洋画題綜覧
七面鳥、一名、吐綬鶏、又、切曹、綬鳥、錦心繍口鳥、錦帯切曹、孝鷊綬鶏などの異名がある、又、徳川時代に渡来した処から唐国鳥の俗名もあり、これが訛つてカラクン鳥などとも呼ぶ、原産地は米大陸のカナダ南部からメキシコに亘りミシシツピー河の上流大森林やオハイオ州河畔の自然林にも棲息してゐる、日本には徳川中期に渡来した。
吐綬、形、鶏の如く、首は雉に似て頬赤、頸黄にして黒文あり、夏春天晴朗なる時は先づ首に両翠角を出し、漸く咽下より胸辺まで内綬左右へ開き出で、緑色にして碧点朱斑あり、時を踰へて尽く斂まる、画には此の内綬を出せる処を描く、嘴黒く緑色にして朱の点あり、腹黄色にして浅黒の波文あり、背緑色にして黒斑端に金色の圏あり、尾淡黒にして黒点あり脚青黒色なり。 (重修本草綱目)
と記してあるなど此の鳥の形態をよく書いてゐる。
七面鳥を画いたものとしては印度カルカツタ博物館にあるマンスールの筆になつたものなど古く、近作に左の諸点がある。
平福百穂筆 第八回文展出品
高木保之助筆 第十一回帝展出品
小林古径筆 『鶴と七面鳥』 第十五回院展出品
五島耕畝筆 第九回帝展出品
松久休光筆 第十五回帝展出品
辻宇佐雄筆 同
池上秀畝筆 『秋日和』 同
児玉希望筆 第二回新文展出品
川崎小虎筆 同
森白甫筆 『彩春』 昭和十六年読画会出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)