御朱印船
ごしゅいんぶね
画題
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解説
東洋画題綜覧
天正の頃から我が国の商船が盛に南洋の諸国に航して貿易に従事したが切支丹宗門禁制後はこれを止められ、特に許された船のみ朱印を捺した免状を持つてこれを続けてゐた、文禄元年豊臣秀吉に依り許された御朱印船がそれで、江戸時代となつても之に倣ひ、その船は台湾から南洋の諸国に盛に活躍し、その通商国は十八ケ国に及んだ、『天竺徳兵衛物語』に依れば、船の長さ大抵二十間、幅九間、四百人程を載せたといふ、これらの船は明国へは行かず、明国に行くのは唐渡りと称した、寛永年中、徳川幕府は切支丹厳禁から一切の海外出航を差止めたので御朱印船も廃止されてしまつた。 (大言海)
前田青邨筆 『御朱印船』 三楽荘旧蔵
(『東洋画題綜覧 補遺』金井紫雲)