湯女
ゆな
画題
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解説
東洋画題綜覧
江戸時代に大なる風呂屋に置かれた遊女のこと、比の湯女を抱ヘた風呂屋を湯女風呂といふ、女は夕刻から浴客の垢を流し髪を梳りこれを終れば三味線を弾き、小唄をうたひ、春を鬻いだりした、寛永の項最も隆盛を極めたが、明暦三年吉原の開けると共に禁止されあとを絶つた。
天正十八年大坂にも風呂屋といふ事いできて湯女とて女ども入り来る客の垢をすり髪をあらふ、故に髪洗ひ女ともよべり髪を洗ヘば結びもするゆゑ常に櫛をさす、此の湯女寛永の中頃に至りては容色を飾り浴客等が酒のあひてをもなし櫛一枚は常なる故塗櫛を二枚さして客の多きを見せ且かざりとも湯女のしるしともしたるなり。 (歴世女装考)
湯女は初期浮世絵に多く画かる、多く下げ髪で二枚櫛をさし、腰に名古屋帯を巻いてゐる。
湯女の名作として聞えたもの次の諸作
筆者不明 『湯女歌舞屏風』 松日福一郎氏蔵
同 『湯女』 団伊能氏蔵
同 『同』 池田金太郎氏蔵
土田麦僊筆 『湯女』 国画創作協会出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)