麦
むぎ
画題
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解説
東洋画題綜覧
麦は禾本科に属する食用植物で五穀の一、大麦、小麦、裸麦、やばね麦などの種類がある、その原産地は小アジア地方から、高加索地方であらうといふ、日本には神代の時既に渡来して居たものと見えるし、更に之を恰く栽培するやうになつたのは奈良朝頃からといはれる、秋に蒔いて春に萌え出で夏になつて熟する、その青麦の縞を描いて黒い土の上を彩り、雲雀などこの間に遊ぶ光景は、まことに早春の景物として画趣饒かなものである。
麦の画かれたものまた少くない。
小林古径筆 『麦』 第六回院展出品
川端竜子筆 『土』 同
酒井白澄筆 『麦畑』 第十四回院展出品
朝井観波筆 『麦刈る女』 第八回院展出品
堂本印象筆 『春』 第八回帝展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)