李斯感鼠
りしねずみにかんず
画題
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解説
東洋画題綜覧
李斯は秦の宰相、一代の偉人であるが一方に坑儒焚書のことで問題の人となつてゐる、その壮時鼠を見て感じ志を立てたこと、亦有名である。
李斯楚の上蔡の人、年少時、郡の小吏となり吏舎の厠中の鼠不潔を食ひ人犬に近く驚き、斯倉に入て倉の鼠の積粟を食て大廡の下に居て人犬の憂を見ざるを観る、是に於て李斯観じて曰く人の賢と不肖は譬へば鼠の如し。自処る所に在るのみ、乃ち荀卿に従つて帝王の術を学び、学已に成る。 (史記列伝)
これを描いたものに中村不折の作がある。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)