鳰
にお
画題
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解説
東洋画題綜覧
鳰は『かいつぶり』の古名、鳰の文字は水に入る鳥の意、湖沼に棲息する小形の水鳥で、嘴は短いが尖り、体は肥えて丸く、尾は柔かくして極めて短い、附跖は左右に著しく羽色を異にし、夏は背面全部暗黒褐色で腰の左右は淡栗色を帯び頬、喉、頸は赤栗色、胸は濁つた褐色、腹は銀白色に褐色を交へ、蹼は無く、扁平なる膜がある、水中を潜むこと巧みにして小魚、小虫類などを食とす、種類に『はじろかいつぶり』『赤襟かいつぶり』などがある。
鳰を画いた作
俵屋宗達筆 『蓮池馬回』 酒井正吉氏蔵
同 『蓮水禽』 前山久吉氏蔵
狩野雪信筆 『燕子花鳰』 藤田男爵家旧蔵
荒本十畝筆 『燕子花鳰』 昭和八年東京会出品
中村岳陵筆 『渦旋』 第十五回院展出品
榊原紫峰筆 『枯芦鳰』 紫峰作品集所載
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)