貞信尼
ていしんに
画題
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解説
東洋画題綜覧
歌人、越後長岡の藩士奥村氏の女、北魚沼郡小出郷の医師某に嫁したが、幾年ならずして夫を失ひ、深く世の無常を感じ、遂に仏門に帰依した、夙に良寛和尚の高風を慕ひ、就いて和歌を学ぶ、良寛またその歌才を愛して懇篤に教ふるところあり、尼また篤く良寛に仕へ、その入滅の際に及ぶまで之に従ふ、『はちすの露』と題する歌集一巻あり、その傾心の深かつたこと見るべく、良寛の肖像として世に伝へらろゝものまた貞心尼の画く所であるといふ、明治五年二月十日寂す。年七十五。 (北越名流遺芳)
良寛和尚と貞信尼の対座、また好個の画材である。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)