夜竹

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やちく


画題

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解説

東洋画題綜覧

夜のを画いたもので、南画北画何れにもよく画かれ、時にを添へたりする、なほ夜竹に関する逸話としては新井白蛾の『牛馬問』に記す処極めて興がある。曰く

狩野尚信は近代の名画なり、子息常信若年の時、竹の絵の稽古す、清書数千枚に及ぶといへども皆尚信の心に叶はず、常信も精つきて茫然と座し居たるに月は隈なくさえわたり庭竹の影、障子にうつりおのづからなる風情有りければ、大に喜び其姿を写すに尤も筆力を得たり、翌日父尚信に見せけるに、尚信大に賞美し其間かくのごとく似たるものなし、是こそ画といふベし、なれども此の竹、画の竹にあらず、葉みな陰形なれば夜の竹ならば斯くこそ然るべきものをといへり、誠に神に入るといふべし。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)


たけ「」の項を見よ。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)