孫子勒姫兵
そんしきへいをろくす
画題
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解説
東洋画題綜覧
孫子は周末の兵法家で斉の人、孫武といふ。嘗て兵法を以て呉王閻閭に見えた処、王、その兵法を婦女子に試むべきや否やを問ふ。孫子曰く可なりと、そこで宮中の美女一百八十人を出し、分ちて二隊とし、王の寵姫二人を隊長とし令して曰く、汝等前後左右を知るかと、宮女の曰く知ると、即ち三令五申、これを鼓して右せしむ、宮女大に笑ふ。孫子は、約束明かでなく、申令の熟せぬはこれ将の罪であると、又申令して左せしむるに、宮女また笑ふ。孫子は、約束の明かにして令の如くせぬのは吏士の罪であると、隊長を斬る、姫兵これに懼れて号令を聞き規矩縄墨に中り敢て声を出すものが無かつたと。 (孫子)
これを描けるもの、安田靫彦の作「孫子勒姫兵」(第二回新文展出品)がある。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)