鴨長明
かもの ちょうめい
画題
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解説
前賢故実
(『前賢故実』)
東洋画題綜覧
鎌倉時代の文学者、家は世々賀茂社の祠官であつた、長明は長継の子、通称を菊太夫と呼び、和歌管絃―殊に琵琶―をよくし、後鳥羽上皇の北面武士となり、建仁元年和歌寄人に召された、五十歳の頃出家して蓮胤といひ大原山に住む、その原因は氏社河合社の祢宜たらんとして之が志達しなかつた為めといふ、後日野の外山に方丈の庵を結び、隠棲して『方丈記』を著した、老荘の学に精しく歌人として重く遇せられた、建保四年歿、年六十四、『方丈記』の外、『発心集』『無名抄』『瑩玉集』などがある。
鴨長明の像を画いたものに左の作がある。
松花堂筆 松本双軒庵旧蔵
久隅守景筆 川崎男爵家旧蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)