高橋文室麻呂
たかはしの ふんやまろ
画題
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解説
前賢故実
九歳のとき、嵯峨上皇に仕えていた。上皇が自ら文室麻呂に鼓琴のことを教えていた。文室麻呂は鼓琴の技芸が日々上達していき、彼ほどの技術を持つ師範がいなくなったため、琴師という称号を賜与された。十六歳の時に元服し蔵人となった。上皇が崩御した後、仁明天皇に召されて蔵人として仕え、勅命を奉じて本康親王(光孝天皇)に琴を教授した。文徳天皇の斉衡年中、外從五位下を授けられ、のち從五位下、次侍従に叙任され、さらに越後介に任ぜられた。貞観中卒、享年四十九歳。文室麻呂は四朝に仕え、鼓琴の名手として讃えられ、当時の最高峰に到達していた。
(『前賢故実』)