馬鳴尊者
めみょうそんじゃ
画題
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解説
画題辞典
馬鳴尊者は大乗佛教の鼓吹者なり、西印度の人、始め外道なりしが、後遂に佛に歸す、智慧辯オ一世の雄と稱せらるるのみならず、兼ねて文才詩才に秀でたり、後北印度に赴き、迦膩色迦王の保護を受けて大乗を鼓吹す、尊者曾つて華氏国に至り、妙法輪を轉ぜしに、一老人忽ち地に仆れしが忽ち一女子と化して去るあり、師日く是魔人なりと、已にして風雨晦冥、一大金龍出現し山岳を動かさんとす、師儼然として動せず、遂に魔を去らしむといふ、後七日にして一小蟲座下に在りしを取り、衆に示して曰く、是れ魔の我が説法を盗聴するものなりと、之を去らしめ、汝今にして三法に歸せば神通力を得べしと、魔遂に本體に顕して懺悔す、因て之に正法を授けしに身を躍らして空中に去るといふ。
(『画題辞典』斎藤隆三)