潘閬
はんろう
画題
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解説
画題辞典
一仙人倒まに騎して行く図是なり、潘閬もと周の穆王の臣下なりしが、或時瞿星地に落ちて八匹の馬と化せし事あり、其中驊といふ馬の尾甚だ美麗にして奇なるものあり、潘閬之を賞讃したるに、此事王の怒に触れ、花山に放逐されたり、已にして王閬が無罪を知りて之を召還せんと、驊が頭に文を附して花山に送る、閬即ち之に乗りて帰りしが、此時花山の風物を惜み、倒騎したりといふ、堪笑華山潘処士、長安路上倒騎驢、とは即ち之を詠ぜしものなり、漢画派の各家の好んで筆する所とす。雲舟筆(益田男爵所蔵)曾我二直庵筆(東京帝室博物館所蔵)
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
潘閬は支那古代周の隠士、初めは穆王の臣下であつたが、或る時瞿星地に墜ちて八の名馬と化したことあり、その中の驊の宅極めて美しく且つ奇なるものあり、潘閬之を賞讃したことが穆王の忌諱に触れ、花山に放逐さるゝ身となつた、已にして王、その罪無きを知つて召還しやうと、驊の頭に文を附して花山に送る、 閬は即ち驊に乗つて帰つたが、此の時花山の風物に別るゝを惜み、倒にこれに騎つて帰つた、これから此の事を『堪笑華山潘処士、長安路上倒騎驢』と、古来此の倒騎驢の図を道釈人物画として描くもの多い。
雪舟筆 益田男爵家蔵
曽我二直庵筆 東京帝室博物館蔵
狩野元信筆 松本双軒庵旧蔵
狩野常信、尚信、周信合作 橋尾家旧蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)