志度寺
しどでら
画題
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解説
画題辞典
志度寺は讃岐三木郡志度町にある真言宗の寺院なり、本尊観音は崇峻天皇の創立と伝へ、又藤原不比等その失ひし面向不背の玉を海中に得て、海女の為めに建立すともいう、
志度寺縁起六巻はこのことを画けるものにして国宝なり。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
讃岐国大川郡志度村にある古義真言宗の名刹、持続天皇の八年藤原房前伽藍を建造した、これより先、天智天皇の世に鎌足の女、唐の高祖の后となり嘗て泗浜石、華原馨、面向不背の玉を父に贈らんとて唐の使に托した処、使者此の浦の沖で颶風に遇ひ、玉を海中に投じて海神に祈つた、後、藤原不比等此浦に来て海女と契り一子を生む、これが房前で、海女をして竜宮城から面向不背の玉を取返さしめ、其玉を興福寺の金堂釈迦の眉間に入れた処、玉の中に釈迦の尊像があつて何方から見ても面を背けないので此名がある、此の伝説を骨子として作つたものに謡曲「海士」がある。
なほ此の縁起を画いたものに志度寺縁起図会六幅があり国宝に指定されてゐる。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)