意馬心猿
いばしんえん
画題
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解説
画題辞典
意馬心猿は煩悩妄念の、内に働きて心の静まらざるさまなり。仏語に「まことに意馬六塵の境に馳せ心猿十悪の技にうつる」とあり。息心銘に「識馬易奔、心猿難制」ともあり。現代にては竹内栖鳳好んで此意を画く。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
繋がれて逸る馬と、樹上の猿を画いて斯く題す、出所は梵網経からで、人の欲情の制し難いのを諷してゐる。(猿の項参照)
心馬馳、悪道放逸匝禁制。 (梵網経)
なほ之を画題として画いた作に左の諸点がある。
橋本関雪筆 第九回帝展出品
下村観山筆 日下吉平氏蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
仏教の語で馬と猿とを描くのであるが、一切衆生の煩悩のために、情の動いて制し難いのを馬や猿の、やゝもすれば逸し去らうとするに譬へた語。心地経の『心如猿猴、遊五欲樹不暫住故』又は『趙州録遺表』に『心猿罷跳、意馬休馳』などから来てゐる。
うま「馬」の項参照
下村観山筆 日下吉平氏蔵
橋本関雪筆 第九回帝展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)