観音
かんのん
画題
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解説
観世音菩薩(観自在菩薩)。仏教伝来以来、仏画や仏像につくられた。穏やかで優しげな女性像のような姿で表現された。
『法華経』の「普門品」(観音経)には、相手に応じて三十三の姿に変わる」とあり、...===画題辞典===
「かんぜおんぼさつ」(観世音菩薩)を見るべし。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
観世音菩薩の略、梵語阿婆廬吉帝湿伐羅〈アバロキテーシバラ〉の訳で、新訳を観自在となし、観世音はその旧訳である、大勢至と共に阿弥陀仏の脇士で、勢至は智慧門を、観世音は慈悲門を司る、世間憂悩の音声を観じて応病与薬の大慈悲を垂れ給ふが故にこの名があり、六道能化の主として種々に応現し給ふ、そして、その形相の相違に依り、六観音、七観音、三十三観音等に分ち、普門品に三十三身あつて、之れに三十三観音を配するもの画題として行はる、三十三身とは、観世音菩薩が衆生の器に従つてこれに化現して説法したといふ、即ち
仏身、辟支仏身、声聞身、梵王身、帝釈身、自在天身、大自在天身、天大将軍身、毘沙門身、小王身、長者身、居士身、宰官身、婆羅門身、比丘身、比丘尼身、優婆塞身、優婆夷身、婦女身、童男身、童女身、天身、竜身、夜叉身、乾闥婆身、阿修羅身、迦楼羅身、緊那羅身、摩睺羅伽身、人身、非人身、執金剛身、菩薩身 で、此に依る画題的三十三観音の名目及形相は左の通り(楊柳観音、竜頭観音、持経観音、円光観音、遊戯観音、白衣観音、蓮臥観音、滝見観音、施楽観音、魚籃観音、徳王観音、水月観音、一葉観音、青頭観音、威徳観音、延命観音、衆宝観音、岩戸観音、能静観音、阿褥観音、阿摩提観音、葉衣観音、瑠璃観音、多羅尊観音、蛤蜊観音、六時観音、普悲観音、馬郎婦観音、合掌観音、一如観音、不二観音、持蓮観音、灑水観音)である。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)