羅漢
らかん
画題
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解説
画題辞典
羅漢は阿羅漢の略称なり、佛教に於て声聞四果の一にして、三界の見思の煩悩を断尽し。尽智、無生智を得て、無學位に住し、世間の供養を受くるに堪へたる聖者の称なり、十六羅漢。十八羅漢、五百羅漢等あり、各その條を見るべし、単に羅漢の一人を画きたるもの亦少しとせず。
筆者不明宋画(東京美術學校所蔵)
陸信忠筆(京都相国寺所蔵)
僧貫休筆(京都立本寺所蔵)
西金居士筆(京都円光寺所蔵) 同 (京都南禪寺所蔵) 陸忠淵筆(京都常照寺所蔵)
筆者不明古画(京都大心院所蔵)
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
梵語で正しくは阿羅漢、羅漢はその略称で不生、無生、殺賊、無学、応供、応真または真人と訳される、小乗仏教の修業者が悟了到達する最終の地位、即ち極位であつて、これを不生または無生といふは、再び如何なる生死の境界にも生れぬ故である、殺賊といふのは煩悩の賊を滅し尽すが故、無学といふのはここに到達すれば最早学ぶべき何ものもないからで、応供といふのは此の地位に達すれば、無量の功徳を具有し、よく他の供養に応じ福田とて他に幸福利益を与へる淵源となり得るからであり、応真とは真理に契当相応せるものといふ義で、真人また同意義である。 (仏教辞林)
羅漢に、十六羅漢、十八羅漢、五百羅漢があり、また絵画には羅漢一人を画かるゝことも少くない。
牧谿筆 (重要美術品) 岩崎男爵家蔵
雪庵筆 (同) 同
蔡山筆 (同) 原善一郎氏蔵
禅月筆 川崎男爵家旧蔵
陸信忠筆 京都相国寺蔵
西金居士筆 京都円光寺蔵
同 同 同 南禅寺蔵
可翁筆 郷男爵家旧蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)