数奇な運命をたどった 『酒呑童子絵巻』を修復し、
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能や歌舞伎の演目としても人気の「酒呑童子(しゅてんどうじ)」の物語を描いたこの絵巻は、京都で1650年前後に作られたと推定されており、長らく日本を離れて、海外のある所有者の手許にありました。まず、著名なコレクター、ウィリアム・ビゲローによってアメリカのボストンに渡り、その後ヨーロッパに持ち運ばれたあと、途中、第二次世界大戦の戦火を逃れ、およそ130年ぶりに京都の地へ戻ってきました。

 この絵巻が制作された土地でもある京都は、現在、世界に誇る美術作品の高度な修復技術を持つ地でもあります。私たちは、この数奇な運命をたどってきた貴重な絵巻を後世に残していくために、現在の最高技術を用いて修復しようと試みています。

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