【翻刻】
藤原皇后廉子傳賛に曹大家云 婦徳才明らか絶異たるを必とせす 婦言便口利辞を必とせす 婦容顔色美麗を必とせす 婦功工功人に過るを必とせす 藤原皇后 此四者を兼て 大家乃論をする所に反す 〈徳は明らかにましまされとも言は巧に容は美麗に功も人に勝れたまへり〉 宣なるかな 寵をかたくし房を専にして主上乃聡明を蔽ふことを得たりしこと 足利尊氏のために護良親王を離間し 建武中興の政を蠹害せしこと何如と為ん哉 然れとも后元良を誕育し尊きこと国母となり 偏安の業六宮の盛ことを備えすといへとも 毳乃奉張四海乃美を〇くと幸〇るか〇甘蟲の奉とは柔美乃物をを云史記の聶政傳ふ旦夕甘毳を以と云〇〇親を養ふことを得た云うをつく考〇へし
然〇とわ隠島乃隨遂は尋常女子乃及ふ無き処にあらずと女丈夫と称さん〇溢義とせん護良親王を問せ志は〇合伯仲后三十一歳の時親王二十五歳をし上より主上時ふ田十又自ら親王を疎く〇さ〇故有るべし
【参考図】

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