巻5.04 主君への忠義

頼光は生け捕りにした二天に、他に隠れ潜んでいる残党がいないか尋問し、二天が主君・酒呑童子への忠心を露わにして答えたことに感心する。生け捕りとして都へ連行され、天皇はじめ、洛中洛外の人々の前で晒し者にされてから殺される運命が待っていようとも、二天の童子への忠義が揺れることはなかったが、せめてもの情けと、早急な処罰を望む二天の姿に、頼光さえも同情を禁じえなかった。