巻5.02 女房の救出
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四天全滅の後も、一行は他の眷属たちをたちどころに切り伏せてゆき、一帯は地獄絵図さながらの様相を呈した。
さて、都からさらわれてきた女房たちは三十六人と聞いていたが、未だ確認できるのは十人足らずであり、残りの人々は、これより奥にある、石熊・金熊二天が見張る岩屋に監禁されているという。
残りの女房たちを救出するため一行は岩屋を目指した。道中、夥しい死骸・白骨を目にしながらも、一行は岩屋の扉まで辿り着く。(画中では堀江中書殿の姫君と思われる女房の死体に一行が遭遇する場面も描かれる)
すぐさま石の扉を押し開け突入すると、やはりそこに二十四人の女房たちの姿があった。突然の救世主の到来に女房たちが喜ぶ有様は、まるで、地獄に堕ち、鬼たちに責められ、鉄窟苦所に閉じ込められた罪人たちの前に地蔵菩薩が現れたかのようだった。
彼女たちは、母や乳母の姿に変化した鬼たちに騙されてこの地に拉致され、この一連の出来事も夢を見ているかのようだと語った。もし今この時が現実であれば、直ちに都へ帰り、父母に会わせてほしいという彼女たちの悲痛な訴えは、一行の涙を誘った。
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