巻4.01 女房たちの嘆き

鬼たちが死んだように酔い伏している一方で、頼光は二人の女房たちを呼び寄せた。

二人は池田中納言と花園中納言の姫君たちで、攫われて三年も経ち、故郷や父母が懐かしいと嘆いたのち、酒宴で一行に出された肴が、堀江中書殿の姫君のなれの果てであることを告げる。

三人はとても仲が良く、苦境のなか互いに励ましあう間柄であったが、中書殿の姫君があのように殺されてしまい、明日には我が身に降りかかるのではないかと女房たちは悲嘆する。

男は、自分たちが源頼光とその家来たちであり、酒呑童子討伐の勅命を受けてここに来たと明し、囚われている姫君たちを必ず都へ連れ帰ると約束する。頼光は女房たちに酒呑童子の寝所へ案内するよう頼む。

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    女房の話を聞いている頼光一行の場面。